後藤ジョッキーの死を悼む
何の因果か、競馬の予想ブログを書かせていただいているので、気持ちの整理もようやくついてきたこともあり、書かせていただきます。
2月27日金曜日の昼過ぎ、なんとか難しいお客さんとの打ち合わせを無難に終え、会社の連中と飯を食って帰社する途中に、スマホがぶるぶる震えて。
なんだろうな、って見てみると産経新聞のニュース速報だった。
「G1レース5勝の人気ジョッキーが死亡」
全く、意味が分からず急いでサイトを見てみたら後藤ジョッキーの自死を伝えるニュースだった。
先週の土曜ダイヤモンドSで落馬したのに、翌日京都で2連勝するなど、力強さを見せていたあの後藤Jが・・・
なぜ・・・
年齢は奇遇にも俺と同じ40。綺麗な奥さんと可愛い娘さんがいるという。
だけども、よくよく考えてみれば2度の大きな落馬事故から執念の復帰を果たし、これからという時にダイヤモンドSでの落馬。
土曜から、日曜の間は考える暇もなく気力で闘い抜けたが、今週の騎乗予定馬を見たら、土曜に7鞍。
日曜にも6鞍ほどあったんではなかろうか。
また、落ちたらと考えると、、、土日合計10数鞍、また闘いに赴かねばならない。
落ちればものすごく痛いだろうし、なによりも落ちるかも知れないという恐怖に、毎回毎回挑んでいかなければならない。
落ちたら痛いだけではない、またリハビリを、辛いリハビリをしなければいけない。もしかしたら落ちて今度こそ死ぬかもしれない。
そんな恐怖と、一人で彼は戦っていたのだろう。
土曜に落ちた時の頸椎捻挫が殊の外、痛かったのかもしれない。
痛みに耐え、調教師やエージェントや馬主やファン、そして家族の期待に応えないといけない、そんなプレッシャーも大きかったのだろう。
俺も、日曜の夜に会社行きたくない時は確かにあるけど、落ちたりしないし、ファンの期待に応える必要ないし、死ぬかもしれない恐怖に立ち向かうことも、ない。
どれほどまでに辛かったろうか。
彼の彼による人生は、残念ながら閉じてしまったが、俺はそんな彼の選択を咎める権利は持ち合わせていない。
ただただ、もう少し一緒に歳を取って彼の競馬を見てみたかった。
無念で、とても悲しい週末だった。
2月と3月が切り替わるこの時期になると、きっとまた彼のことを思い出すだろう。
どうぞ、安らかに眠って欲しい。お疲れ様でした。
後藤ジョッキーの死を悼む
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